本研究は、日本に渡ってきた開港期建築技術者の経歴を調査することで、近代化の黎明期における西洋建築技術の導入過程を再考察することを目的とする。同様研究は国内事例に集中するきらいがあり、来日前の経歴、即ち技術の導入経路については不明な点が多かった。しかしながら、近年各国でデータベースの構築が進んだことで、従来では調査が難しかった19-20世紀の人的交流の足跡を追うことが可能になってきた。本研究はこのような情報化の進展による新たな研究環境に対応した国際的な視点・ネットワークにより、従来は不可能であったスケールで開拓地的技術の足跡を追うことにより、西洋建築技術の導入過程の再評価を目指すものである。
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