応力熱処理を行ったアモルファス合金リボンでは一軸弾性ひずみが導入される。この弾性ひずみは無応力下での再加熱により解放され、異方性は消失する。このとき、ひずみ解放量が最大となる温度が第1段目の熱処理温度を記憶しているという「温度記憶効果」について検討し、凍結ひずみ量は第1段目の熱処理温度が高くなるほど多くなること、1段目の保持時間を変化させるとひずみ解放が最大となる温度がずれることなどから、粘性係数の温度および時間依存性が空間的に不均質に分布しているモデルを構築した。さらにナノインデンテーションの結果から不均質性のサイズは意外なほど大きく、数10nm以上の可能性があることを示した。
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