研究課題
本研究では、現在まで研究を進めてきたコロナ帯電を用いた、可視域レーザーでのソーダライムガラスへのホログラム記録の最適化とその応用を目的とする。本研究では、記録媒体として汎用ガラスであるソーダライムガラスを用いて、高精度・高効率かつ環境にやさしいホログラム記録の最適化およびその応用について検討してきた。初年度は、雰囲気制御コロナ帯電装置の作製に重点を置き研究を進めた。可動式雰囲気制御コロナ帯電装置については、まずガラス全面に均等にコロナ帯電できるように、土台を大型化し上下に移動できるように可動部を設けた。また、Naイオンの移動を促進させるために、雰囲気調整が可能なコロナ帯電ユニットとして作製し、今後のホログラム記録の高速化を図れるように設計した。今年度の本研究では、ガラスの形状に重点を置き研究をおこなった。将来の実用化においては、自動車ガラスのように、湾曲したガラスに対しての情報記録が必要となるためである。そこで、湾曲したガラスを用いた場合のコロナ帯電特性について評価をおこない、効率は悪くなるが、問題なくコロナ放電処理できることを確認した。今後は湾曲ガラスに最適なコロナ放電装置の開発が必要であろう。また、将来必要となるディジタルデータの記録に関しての基礎データを取得するために、新たにディジタルホログラム記録装置を組み、初期研究をスタートした。今後最適な処理条件(加熱温度、コロナ帯電印加時間、コロナ帯電時間、ガラス基板の種類・形状)の検討を進めていく。
2: おおむね順調に進展している
おおむね当初の計画どおり順調に進んでいる。次年度が最終年度となるので、実験を総括できるように進めていく。
次年度が最終年度となるため、いままでの実験をまとめ、高精度・高効率かつセキュアなガラスホログラムの作製に重きを置き研究を進める。湾曲ガラスに対応したコロナ帯電装置の最適化および、セキュアなホログラムとしてSQRC(セキュアQRコード)の記録・再生を試みる。
想定通りに使用したが、旅費が想定していたよりも少なくて済んだため、端数として5924円の残額が生じてしまった。
12月に韓国で開催予定のホログラムに関する国際学会参加費用およびホログラム関連の消耗品購入費にあてる。
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Scientific Reports
巻: 6 ページ: 27767
doi:10.1038/srep27767