本研究では、現在まで研究を進めてきたコロナ帯電を用いた、可視域レーザーでのソーダライムガラスへのホログラム記録の最適化とその応用を目的とする。本研究では、記録媒体として汎用ガラスであるソーダライムガラスを用いて、高精度・高効率かつ環境にやさしいホログラム記録の最適化およびその応用について検討してきた。初年度は、雰囲気制御コロナ帯電装置の作製に重点を置き研究を進めた。可動式雰囲気制御コロナ帯電装置については、まずガラス全面に均等にコロナ帯電できるように、土台を大型化し上下に移動できるように可動部を設けた。また、Naイオンの移動を促進させるために、雰囲気調整が可能なコロナ帯電ユニットとして作製し、今後のホログラム記録の高速化を図れるように設計した。将来の実用化においては、自動車ガラスのように、湾曲したガラスに対しての情報記録が必要となるため、湾曲ガラスに対しても、コロナ放電処理できるような装置を作製した。 最終年度は、特にガラスホログラムに記録される情報のセキュリティ強化を検討した。現在までの研究では、一般的なQRコードをホログラム化して潜像として記録してきた。最終年度は、さらにQRコードを独自のアルゴリズムで暗号化した“セキュアQRコード”を潜像として記録することにより、セキュリティ性の高い情報記録を目的として研究を行った。その結果、セキュアQRコードのガラスへのホログラム記録および再生に成功した。
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