クロマトグラフィーチップやバイオセンサの高感度化、高分解能化などを目指し、ハイドロキシアパタイト(HA)結晶膜の配向制御技術を確立し、そのデバイス応用の可能性について調べた。完全なa面配向とc面配向のHA膜を作り分ける手法を新たに開発し、その結晶成長メカニズムも明らかにした。ここで得られた配向制御膜を用いて、酸性タンパク・塩基性タンパクの選択的吸着が可能であることを示唆する結果が得られた。これを電気的に検出するため水晶振動子マイクロバランスセンサへの適用を試みたが、HAの結晶化に必要な熱処理に起因する歪により正常動作するには至らず、さらなる改良が必要であることが分かった。
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