研究課題/領域番号 |
15K06451
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工 |
研究代表者 |
石井 啓介 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 電気情報学群, 教授 (30257208)
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研究分担者 |
江阪 久雄 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 電気情報学群, 教授 (40531992)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 圧電セラミックス / 非鉛圧電材料 / 粒子配向制御 / テンプレート / 一段階溶融塩法 / BaTi2O5 |
研究実績の概要 |
1.高いキュリー点を有する新しい非鉛圧電材料BaTi2O5作製時における評価法の検討を行った。BaTi2O5、BaTiO3およびBa6Ti17O40の混合粉中におけるBaTi2O5の濃度を半定量的に表す指数が簡易的に用いられているが、実際の濃度との定量的な関係は解明されていなかった。上記3種類の仮焼粉を任意の割合で混合した粉末を用いて、定量関係を実験的に検討するとともに、理論的考察を行った。 2.昨年度の研究により、粒子配向制御が圧電セラミックスの粒子配向制御に有効であることが判明した。本年度は、配向(K,Na)NbO3系セラミックスの焼結時間を短縮するため、一段階溶融塩法による板状NaNbO3単結晶粒子テンプレート作製法を改良した。KClとNaClの混合塩を用いた一段階溶融塩法により、表面に凹凸を有する不均一な形状の単結晶粒が合成された。この混合塩による単結晶粒子を用い、(K,Na)NbO3系配向セラミックスを作製した。混合塩および従来のNaCl塩のみにより合成された単結晶粒子を使用した配向試料との間で、焼結性と圧電特性の比較をおこなった。加熱時の結晶粒内部へのKの拡散性の比較もおこなった。その結果、(K,Na)NbO3系配向セラミックスの焼結中に、混合塩から作製されたテンプレートにはKが拡散されやすいこと、そのため、焼結時間が減少することが判明した。恐らくは、アルカリ成分の揮発が抑制されたため、従来のテンプレートを用いた配向セラミックスと比して、得られた配向セラミックスの圧電特性は若干向上した。このことは、本研究で得られたテンプレート作製手法が、よりアルカリ成分の揮発が顕著なLi添加(K,Na)NbO3系配向セラミックスの作製に有効であることを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の成果を活かすため、粒子配向制御手法を改良し、より非線形圧電性の小さな非鉛圧電セラミックスの作製にめどをつけた。また、新しい非鉛圧電材料であるBaTi2O5の作製法についても進展が見られた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、Liを置換した配向(K,Na)NbO3系セラミックスの作製をおこない、より非線形圧電性が小さな材料の開発を目指すと共に、本研究課題をまとめるため、非線形圧電現象の発生条件に関するシミュレーションをおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
入札により、備品として購入した白金線、R熱電対、金円板、電気炉発熱体の購入価格が見積価格よりも安価に納入されたため、直接経費に残が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度と同様に、電気炉発熱体、試薬、貴金属等の消耗品購入を行う。
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