研究課題/領域番号 |
15K06465
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小椋 智 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90505984)
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研究分担者 |
才田 一幸 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30178470)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 異材接合 / レーザブレイジング |
研究実績の概要 |
本研究は,材料学的に接合が難しいとされる,難接合材の異種金属同士における信頼性の高い接合継手を開発することを全体構想とする中で,レーザブレイジングによる難接合材同士の母材を熱損傷させない新しい異種金属接合法の確立することを目的とている. 27年度では,レーザブレイジングのパラメータ制御による接合性評価と接合プロセスの確立を行った.A5052合金とAZ31合金のレーザブレイジング性評価として、アルミニウムろう材BA4047およびマグネシウムろう材AZ125を用いたレーザブレイジング継手の組織解析、元素分布、反応層の解析を行った.また、引張せん断試験を行い接合継手の機械的特性を評価した.以下に本研究で得られた結果を要約する. レーザブレイジングによるアルミニウム合金とマグネシウム合金の接合は,アルミニウム合金/鋼接合等に比べて出力幅が狭い範囲で達成されることがわかった.BA4047を用いてレーザ出力およびフラックスの有無を変化させてレーザブレイジングを行った結果、いずれの条件においても未接合部のない接合が達成された.また、溶け込み量およびビード幅はレーザ出力が増加するにつれて増加するが、その傾向はフラックスを用いた場合において顕著であった.それらの継手強度はいずれの条件においても低強度を示した. AZ125では、ろう付可能なレーザ出力の範囲は480W~620Wとなった.レーザ出力550W~600Wの範囲で良好な継手が得られた.レーザ出力が増加するにつれて、ビード止端角が小さくなり、ぬれ性が良好となっていることが分かった。本研究では590Wにて最大強度を示した.レーザ出力が600Wまではビード止端部が起点と考えられる界面破断を生じ,610W以降ではルート部が起点と考えられるろう材内破断を生じた.これはボイドや過剰な金属間化合物の生成によるものと考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に問題なく,順調に進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
今年度の引き続き,レーザブレイジングのパラメータ制御による接合性評価と接合プロセスの確立を図る.特に,インサート材を適用し,母材破断を有する良好な継手となる接合プロセスを確立する.
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次年度使用額が生じた理由 |
発注していた試験片の納品が4月になったため。
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次年度使用額の使用計画 |
試験片が到着次第、実験に取り掛かる。
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