TiやTi合金のアルカリ加熱処理は生体材料として使用する際の生体適合性を向上させる表面処理の1つである。通常、この処理でのアルカリ溶液浸漬は自然浸漬であり電位制御は行われない。本研究ではTi6Al4V合金のアルカリ処理を行う際に方形波パルス電位制御を行うことで、骨親和性の向上および為害元素低減を試みた。電位制御の有無に関わらず、試料表面にはナノスケールの網目状構造のチタン酸ナトリウムが形成された。アルカリ処理の際に方形波パルス電位制御を行うことによって自然浸漬試料よりも微細な網目構造が形成され、皮膜中のVを低減することが示された。
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