本研究ではIV族元素とIII族元素が混在するホスト格子構造を持つクラスレート化合物半導体において、高いキャリア移動率が実現する機構についてクラスレート構造との関連性に注目しつつ電子構造の視点から研究を行った。タイプI構造およびタイプVIII構造を持つBa-Ga-Snクラスレート半導体およびタイプII構造を持つK-Ba-Ga-Snの計算を行い、伝導帯下端の電子状態とラットリングを起こすゲスト原子間の相互作用と移動率の間に強い相関が現れることが明らかになった。また、元素置換効果によるキャリア散乱効果を解析するため、最局在Wannier関数を用いたバンド構造の解析について検討を行った。
|