多結晶ジルコニアセラミックの高温引張挙動に対する電流効果の解明を実施した。その結果、印可電流がある臨界値より低い場合、印加電流は試料温度を上昇させるが、変形速度を加速させることはない。一方、臨界値より高い場合、電流がない場合と比較して、通電は変形速度を約2倍以上加速されることを確認した。変形速度の増加は、ジュール加熱によるサンプル温度の上昇にのみでは説明できない。電流条件下で変形した試料をTEM-EDS分析法で消化した結果、粒界に沿って酸素空孔領域が形成されていることから、変形の増加が酸素空孔形成に関連していると結論できる。
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