酸分離用無機系逆浸透膜の開発を行った。製膜は、シリカ源としてフェニル基を2つもつDiphenyldimethoxysilaneを用い、対向拡散CVD法により行った。蒸着温度270℃にて、90%を超える高い阻止性能を示し、透過流束が17.6 kg m-2 h-1 と目標の3倍以上となった。次に、基材を構成する素材による硫酸耐久性へ与える影響について検討した。γアルミナを基材とした膜では48時間の硫酸浸漬後に阻止性能を示さなくなったが、シリカを基材とした膜では、初期と同程度の阻止性能を示した。これより基材が酸耐久性に大きな影響を与えていることを見出した。
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