タンパク質表面に、刺激分解性リンカーを介して嵩高い保護基を修飾し、多機能性の刺激応答性ケージドタンパク質を創生する研究を行った。親水性ポリマー鎖を嵩高い保護基として修飾すると、加熱しても変性凝集が妨げられるほどタンパク質が安定化され、また、光照射による活性の大幅な回復が確認された。この成果は、タンパク質性医薬品を保管・運搬する際の安定化技術として有望である。また、嵩高い保護基を介したタンパク質の凝集現象を発見し、光溶解性のタンパク質ナノ凝集体として、タンパク質の制御・デリバリー技術として応用した。これらの成果に加え、還元条件や超音波に応答するリンカーの開発も行い、萌芽的な成果を得た。
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