バイオマス原料から、化成品原料のブタノールを生産する出芽酵母の構築を目指した。そのために、細胞内代謝中間体濃度の絶対定量値から各反応のギブス自由エネルギー変化を推定し、代謝律速を同定する熱力学レベルの解析法を確立した。エタノール非生産酵母株の代謝状態を精密に測定することに成功し、代謝フローをエタノール生合成から他経路へと転換するには、細胞内コンパートメントを考慮したNADH過剰の解消が必要なことを明らかにした。これらの知見をもとに、ピルビン酸のミトコンドリア輸送に着目し、新たなイソブタノール高生産株の構築に成功した。
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