| 研究課題/領域番号 |
15K06590
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| 研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
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研究代表者 |
小林 功 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門 食品健康機能研究領域, 上級研究員 (70425552)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 十二指腸 / 消化 / In vitro / シミュレーター / ぜん動運動 / 直接観察 |
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| 研究実績の概要 |
平成27年度に試作したヒト十二指腸シミュレーターにおいて、まず、人工胃消化物の導入機構および内容物の排出機構の改良を行った。人工胃消化物の導入機構に関しては、内容物がヒト十二指腸シミュレーターから前記容器への逆流を防止する弁を設置した。また、内容物がヒト十二指腸シミュレーターの出口から安定的に排出可能な弁を設置した。改良を施したヒト十二指腸シミュレーターを用いて、粘度を調整したモデル液状食品（水飴水溶液）とモデル消化液（色素水溶液）の混合状態について検討した。水飴水溶液は導入用容器から送液されたとともに、色素水溶液は腸管中央部から一定流量で分泌された。ヒト十二指腸シミュレーターにおける内容物の混合挙動は、腸管部のぜん動運動の有無や水飴水溶液の粘度の影響を受ける様子が観察された。ヒト十二指腸シミュレーターから排出された液体における色素濃度の経時変化を測定した結果、水飴水溶液の粘度が消化液との混合状態に影響することが示された。以上の検討結果より、十二指腸内部における液状胃消化物と消化液の混合挙動に関する基礎的知見を蓄積することができた。小腸上部における重要な構造と機能を単純化した機器の設計および試作を行った。さらに、食品の物理的・化学的特性と消化挙動との基礎的な知見を検討、蓄積するため、ヒト十二指腸シミュレーターを用いた検討に適する食品を選定した。選定された食品を含む胃消化物をヒト十二指腸シミュレーターに導入して消化試験を行い、食品における消化挙動を評価についても検討を進める。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、平成27年度に試作したヒト十二指腸消化シミュレーターにおける人工胃消化物の導入機構および内容物の排出機構の改良を達成した。また、ヒト十二指腸消化シミュレーターの利用によって、モデル液状食品とモデル消化液の混合特性に関する有意義な結果も得られた。これらの基礎的知見は、本研究課題の研究目的に合致したものである。以上より、現在までの達成度に関して選択した自己評価が妥当であるといえる。本研究課題ではまた、本年度の研究で期待される成果をおおむね達成した。
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| 今後の研究の推進方策 |
本年度までの研究はおおむね順調に進展したので、最終年度である次年度の研究も当初の計画をベースに実施する予定である。ヒト十二指腸シミュレーターに関しては、混合試験や消化試験の結果をもとに、人工胃消化物の導入方法および内容物の排出方法の改良を図る。異なるモデル胃消化物を用いたヒト十二指腸シミュレーター研究についても推進していく。本年度に選定された食品を含む胃消化物を十二指腸シミュレーターに導入して消化試験を行い、十二指腸消化挙動に関する知見を蓄積する。また、本年度に試作した、小腸上部を単純化した機器を利用した研究についても検討する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額441,067円は、研究費を効率的に使用して発生した残額である。
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| 次年度使用額の使用計画 |
本研究課題の推進のため、次年度の研究費は交付申請時の計画通り使用する。また、次年度に請求する研究費と合わせて研究遂行のために使用する。
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