微小重力環境下の液体挙動は,表面張力,濡れ性等が顕著となるため,地上重力下と異なる.宇宙機の推薬タンクの設計には,外乱によるスロッシングや加速度変化によるセトリング挙動を把握することが必要であり,かつ動的濡れ挙動はこれらに多大な影響を与えるため,これを理解することが重要となる.本研究では微小重力環境において,円筒容器内の液体挙動を実験的に調査した.さらにミクロな動的濡れ性とマクロな液体挙動を連成させた数値解析を実施し,実験結果との比較検証を実施した.その結果,ミクロスコピックな現象を考慮した理論による動的接触角と接触点移動速度の関係を反映した数値解析が,実験結果と最もよく一致することを示した.
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