研究課題
本研究は,極超音速希薄風洞実験と粒子数値解析を行うことにより,極超音速希薄気体空力現象の観測手法の確立とともに,物質表面係数の計測手法・凝縮による影響評価手法の確立を目的とする.火星等の大気を想定した二酸化炭素環境下で極超音速希薄流れの気流検定手法を確立し,模型を用いた希薄空力計測と粒子数値解析の融合による手法を用いて物質表面係数の特定および凝縮による影響の評価を目指す.今年度の主な研究の成果を以下に示す.1. ヒーター性能を発揮するため,高温用熱電対に変更し,より加熱された環境において二酸化炭素極超音速希薄流ピトー圧を計測し,気流検定を行った.2. DSMC(direct simulation Monte Carlo)数値解析結果と比較し,非加熱状態から淀み温度500Kまでの条件において凝縮による影響を検証した.結果として希薄風洞計測部におけるクラスター数密度は空力評価に及ぼす閾値以下であり,凝縮による影響は小さいことが判明した.従来のCNT(Classical Nucleation Theory)モデルでは閾値よりも高いクラスター数密度が予測されるため,クラスター核生成の最小クラスを10とする改良CNTモデルを用いることによって,希薄風洞のノズル流を再現した.3. 球模型を用いた変位計測と数値解析を融合した手法により,二酸化炭素気流における物質表面熱適応係数を計測した.物質依存性及び窒素・二酸化炭素気流組成依存性を評価したところ,窒素の場合よりも二酸化炭素の方が拡散反射の寄与が高い傾向にあることが判明した.
すべて 2018 2017
すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)