骨材の生産・供給体制にサプライチェーンの概念を導入し、IoTの活用により、骨材の需給関係を全体最適化するための骨材サプライチェーンを一元的に管理できるシステムの構築について検討した。得られた結果をまとめると、次の通りである。 (1)IoTの活用により、骨材の需給関係を全体最適化するための骨材サプライチェーンを一元的に管理できるシステムを構想した。骨材サプライチェーンの概念として、次の4つのコンセプトを考えた。①全国の採石場の骨材資源データベースを基に、採石場の可採資源量や地域ごとの骨材需要量を予測する。②骨材消費地へ、ダンプトラックや貨物列車、船舶を利用して、輸送時間、輸送コスト、人件費等を考慮した最適経路のもとで輸送する。③IoTを利用することで、輸送中の状況を管理者がリアルタイムに管理できるようにする。④これらの骨材サプライチェーンのシステムは、インターネットを介したクラウドコンピューティングにより、生産者や発注者のPC、モバイル端末から直接アクセス可能なものとする。 (2)骨材輸送時の最適経路を輸送者に提示し、かつリアルタイムで複数の輸送者を同時に管理できるシステムを、arcGIS、GoogleMAP、スマートフォンを利用して構築した。このクラウド管理システムが、実際にリアルタイムで運用可能かを確認するために、現地での実証実験を行った結果、開発したシステムが正常に稼働することが確認できた。また、輸送用ダンプトラックそれぞれの経路ごとにarcGISで最適経路を作成し、管理者のパソコン上にすべての経路を合成したマップを作成することで、GoogleMAP経由で各運転手のスマートフォンに表示させることが可能になった。 (3)骨材サプライチェーン最適化システムのクラウド上での管理を行う体系を、AWS(Amazon Elastic Compute Cloud)を使用して構築した。
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