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2016 年度 実施状況報告書

単一坑井で断層等の3次元位置形状計測が可能なフルポラリメトリックボアホールレーダ

研究課題

研究課題/領域番号 15K06642
研究機関大阪電気通信大学

研究代表者

海老原 聡  大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20301046)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードボアホールレーダ / 地中レーダ
研究実績の概要

昨年度までに試作した3次元フルポラリメトリックボアホール―レーダを用いて、地中に存在する物体の3次元位置と形状推定が可能であることを示すフィールド実証実験を行った。実験としては鉱山内の断層や大学構内の物体計測が考えられたが、総合的に考えて、東京都内某所に造成された土壌中の基礎杭を鉛直坑と傾斜坑を用いて計測することにした。アンテナには、ダイポール(アレー)アンテナとループアンテナを使用し、地中物体から2m程度離れた坑井内でアンテナを走査した。これにより物体の方向推定だけでなく、物体からの反射波の偏波状態も推定可能となるはずである。実験を行ったところ、物体からの反射波を検出した。さらに、アレーデータを解析したところ、反射点は3次元空間内で物体の真の位置付近に推定された。さらに偏波特性を解析することにより、反射波は基礎杭の軸方向に傾斜した垂直直線偏波に近いことを示す推定結果となった。これは偏波計測により、物体の形状推定が可能であることを示している。一方、坑井の軸に対し垂直な偏波が入射すると想定される場合には、推定される電磁波の方向の誤差が大きくなることが確認された。これは、坑井内のダイポールアレーアンテナへ斜めに電磁波が入射することにより、坑井の壁付近で散乱波が発生し、これは方向推定に影響を与えるためであることが予想された。このことを確認するため、2つの坑井にダイポールアレー・ループアンテナをおき実験を行ったところ、上記の予想を裏付ける結果が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

岩盤中の断層計測の代わりに、土壌中の基礎杭計測に変更したが、概ね当初予定していたものと等価なデータが取得され、解析を行うところまで到達した。

今後の研究の推進方策

最終年度は予定どおりに物体の散乱特性に着目したフルポラリメトリックボアホールレーダの解析手法に関する研究を実施する。

次年度使用額が生じた理由

当初予定したよりも、フィールド実験経費の支出額を低く抑えることができたためである。

次年度使用額の使用計画

最終年度では、大学構内での実験を行うため、このための消耗品経費として支出する予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 3-D Estimation of a Foundation Pile Using Polarization-Sensitive Directional Borehole Radar2017

    • 著者名/発表者名
      S. Ebihara, K. Kobayashi, K. Okuhira and H. Maeda
    • 雑誌名

      Proceedings of the 9th International Workshop on Advanced Ground-Penetrating Radar (IWAGPR2017)

      巻: - ページ: -

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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