研究課題
本研究課題ではビーム放射分光(BES)イメージング計測機器の開発を手がけ、MHD・乱流揺動の時空間構造を明らかにすることを目的とする。H29年度の概要は以下の3点である。1.BES装置で用いる真空機器内ミラーの改良、2.密度揺動二次元計測の進展によるプラズマ内部のMHD揺動の構造解明、3.高密度H-mode遷移前に観測される前駆振動を対象とした安定性解析による揺動の理解。具体的な内容を以下に述べる。1. BES装置のS/N比改善を目指し、実機(ヘリオトロンJ装置)真空容器内のミラーに誘電体多層膜コーティングを施すことで、反射率を96%まで改善した。多層膜材は真空中での脱ガスが少ないこと、融点が高いこと、熱膨張によるクラックの低減、を考慮し決定した。これによりS/N比が2倍以上改善した。2.BES装置を用いた密度揺動の二次元計測を進め、プラズマ内部のMHD揺動の構造を明らかにした。ヘリオトロンJ標準配位でco-NBI加熱プラズマ中に観測される5kHz程度のMHD揺動はプラズマ中心付近に局在するため、今まで磁気プローブ等でモード数等の評価ができなかった。本課題で整備した二次元BES装置により、このMHD揺動の強度分布・モード構造を明らかにした。またECH重畳によるモード周波数の変化(15kHz)は電子温度・密度の変化と比べ早く、熱・粒子輸送とは異なるメカニズムで周波数が変わっていることが示唆された。3.ヘリオトロンJで高強度ガスパフ法を用いた高密度Hモードプラズマにおいて、遷移前にプラズマ周辺部で観測される前駆振動の解析を進めた。MHD安定性の指標としてMericier条件を解析したところ周辺部ではMercier不安定であることがわかった。今後非線形MHDシミュレーション等を用いた更なる解析が必要であるが、観測された振動の候補として交換型不安定性が挙げられる。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 オープンアクセス 2件、 査読あり 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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