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2017 年度 実施状況報告書

3次元擾乱磁場が高速イオン閉じ込めに与える影響の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K06655
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

篠原 孝司  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 那珂核融合研究所 先進プラズマ研究部, 上席研究員(定常) (50354600)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード高速イオン / 擾乱磁場 / 共鳴 / 粒子軌道
研究実績の概要

ELM制御などで擾乱磁場を用いる運転のシナリオ設計には、擾乱磁場による輸送を考慮した計算コードが必要である。バルクプラズマは空間座標として磁気座標を用いて、磁気島の幅だけ物理量が平坦化されるという輸送モデルが利用できる。磁気島の評価は、磁力線の追跡を一回実施すればよい。一方、高速イオンの空間座標に相当するのは正準角運動量であるので、正準角運動量で表現した高速イオンの描く島(以下軌道島)の幅がわかれば、バルクプラズマと同様のモデルで輸送を評価できる。しかし、磁気座標と正準角運動量はズレており、さらに、正準角運動量はエネルギーと磁力線に対する速度の傾きに依存するため、軌道島幅評価は、これらパラメータ毎に軌道追跡計算が必要であり、計算資源を要する。計算資源を要する手法は、パラメータスキャンや平衡磁場の時間発展を扱うシナリオ設計のコードには不向きであり、軌道島幅の簡易評価手法が求められている。
これまで、擾乱磁場中での高速イオンの振舞いの理解を目的として、韓国のKSTARでの実験の解析を進めてきた。解析の結果、島構造の本質は、共鳴条件であり、磁気島が磁場の傾き(安全係数)と擾乱磁場の周期性で決まる整数の組み合わせ(m/n)とが一致するときに形成されるのと同様に、軌道島構造が軌道の傾きと擾乱に起因する整数の組み合わせ(meff/n)とが一致するときにできるという知見を得た。この知見をもとに、磁気島の幅からトーラス方向に周回する高速イオンの軌道島の幅を簡便に求める手法を新たに提案した。これを「第15回磁気閉じ込め系における高速粒子に関するIAEA技術会合」で発表すると共に、論文にまとめ投稿した。
さらに、KSTARの損失高速イオン計測に導入した高速カメラにて、摂動磁場印加実験時に損失高速イオンの短時間での挙動の変化を捉えることができた。本結果は、上記会議で報告された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

KSTARの条件での解析により、静的な擾乱磁場中での高速イオンの振る舞いの理解が進み、国際会議で発表すると共に、論文にまとめることができた。さらに、KSTARの損失高速イオン計測に導入した高速カメラにて、摂動磁場印加実験時に損失高速イオンの短時間での挙動の変化を捉えることができ、国際会議で報告された。

今後の研究の推進方策

より高度な見積手法を開発するため、同着眼点から、さらにトーラス方向に捕捉された高速イオンと3次元擾乱磁場との相互作用の理解を進める。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が発生した理由:今年度はおおむね順調に活動しており、昨年度からの繰越が次年度へ繰り越された状況である。
計画:韓国のKSTAR装置での実験データの解析を進めるための機器の購入及びデータの取得・情報収集や研究成果の発表のための費用として使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Estimation of orbit island width from static magnetic island width, using safety factor and orbit pitch2017

    • 著者名/発表者名
      Kouji Shinohara, Andreas Bierwage, Yasuhiro Suzuki, Junghee Kim, Go Matsunaga, Mitsuru Honda, and Tongnyeol Rhee
    • 学会等名
      15th IAEA Technical Meeting on Energetic Particles in Magnetic Confinement Systems
    • 国際学会
  • [学会発表] Fast-ion losses associated with the RMP applications on KSTAR2017

    • 著者名/発表者名
      Junghee Kim, T. Rhee, S. Lee, K. Kim, Y. In, A. Loarte, M.J. Choi, J.-Y. Kim, K. Shinohara, D.C. Seo, J.-W. Ahn, H. Jhang and the KSTAR team
    • 学会等名
      15th IAEA Technical Meeting on Energetic Particles in Magnetic Confinement Systems
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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