リチウム電池の劣化を知るには、電池動作時の内部状態を合理的に把握する必要があり、定電流充放電時に10分の電流遮断をかけ、電池過電圧の緩和過程を解析することが有望である。著者は、単純だが十分な精度の電池モデルとして2段分布定数回路を提案し、その基礎式と解析解を求めたところ、正極側は低性能型、負極側は高性能型の応答を示し、電流遮断時の応答を1mV以内の残差で表現できた。ACインピーダンスではmHz以下の周波数での計測が必要になり、現実的ではない。 電流遮断時の過渡応答は、マイクロショートによる微小な電圧変化を検出することもでき、満充電時に発生し、半分放電時でも解消しないことが解った。
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