• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

モデル分析と実証分析による九州の理想的なエネルギー・社会経済・都市戦略の導出

研究課題

研究課題/領域番号 15K06686
研究機関長崎大学

研究代表者

竹下 貴之  長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 准教授 (70344075)

研究分担者 片山 健介  長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 准教授 (00376659)
時松 宏治  東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (50415717) [辞退]
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード九州 / エネルギーシステムモデル / 社会・経済シナリオ / 都市計画 / 持続可能性指標
研究実績の概要

第一に、九州地域を対象として構築した最適電源モデルを拡張することにより、九州地域の2050年までの最適な(環境制約下において最小コストでエネルギー需要を満足できる)エネルギー需給の具体像を導出する九州地域のエネルギーシステムモデルのプロトタイプ版を構築することができた。同モデルの計算結果から、太陽光や地熱といった再生可能エネルギーの果たす役割が大きい等、九州地域独自の特徴を見出すことができた。さらに、2050年までを対象期間とし、九州地域を対象とする経済モデル(一般均衡モデル)のプロトタイプ版を構築することができ、解釈可能な計算結果を得ることができた。また、これらのモデルで採用すべき、中長期的な人口・GDPといった社会経済シナリオについて、国際機関のシナリオデータの精査を行い、入力データセットを構築した。
第二に、長崎市を対象として、環境負荷の小さい都市構造に変えていくような都市計画について分析を行った。そこでは、地球温暖化とともに、気象災害についても考慮の範疇に入れた分析を行った。さらに、これらの問題を、地域住民が安全にかかわる問題として認識することの重要性を指摘した。
第三に、持続可能性を定量的に示す指標としてGenuine Savingsについて調査・分析を行い、気候変動の緩和が持続可能性にどれだけ貢献するかに関するモデル分析を行った。そして、当該指標を、前述の九州を対象とするエネルギーシステムモデル・経済モデルへの適用可能性について検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

九州地域を対象とするエネルギーシステムモデルと経済モデルのプロトタイプ版を構築し、それらの前提条件となる社会・経済シナリオデータの収集を行うことができた。しかし、両モデルの相互リンクは未だ出来ておらず、両モデルを完成版とするためには更なる作業が必要である。理想的な都市計画の導出、持続可能性を定量的に示す的確な指標の提案についても確実な前進が見られたことから、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

第一に、九州地域を対象とするエネルギーシステムモデルと経済モデルの完成版を構築し、それらの相互リンクを行う。第二に、九州地域を対象として理想的な都市計画の導出を行う。第三に、持続可能性を定量的に示す的確な指標を確立する。

次年度使用額が生じた理由

九州地域を対象とするエネルギーシステムモデル及び経済モデルの開発において、海外研究者からの指導・助言・データやファイル等の提供を見込んでいたが、それらの業務に要する費用(見積金額)は科研費で賄えないほど高いものであった。そのため、それらの業務に支出する予定であった金額は未使用とせざるを得なかった。現在、海外研究者と調整を行っており、科研費で賄える範囲の業務を次年度依頼し、支出することを予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] IIASAが作成した世界エネルギー需給シナリオの比較・検討2018

    • 著者名/発表者名
      竹下貴之
    • 学会等名
      第34回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス
  • [図書] 自然災害-減災・防災と復旧・復興への提言2017

    • 著者名/発表者名
      梶秀樹, 和泉潤, 山本佳世子, 朝倉はるみ, 浅野聡, 阿部宏史, 氏原岳人, 押谷一, 片山健介, 鎌田裕美, 川﨑興太, 木谷忍, 苦瀬博仁, 近藤光男, 瀬田史彦, 髙尾克樹, 堂免隆浩, 徳永幸之, 秀島栄三, 若井郁次郎
    • 総ページ数
      332
    • 出版者
      技報堂
    • ISBN
      978-4-7655-1849-9

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi