ショウジョウバエ嗅覚記憶中枢であるキノコ体における遺伝子発現解析をもとに特定した遺伝子rgk1について、成虫期キノコ体で特異的に発現しており、かつ、ショウジョウバエの嗅覚記憶の維持に必要であること、rgk1がシナプス領域に特異的に局在していることなどを明らかにした。トランスジーンを用いた詳細な解析により、rgk1が記憶成分である麻酔感受性記憶ASM及び麻酔耐性記憶ARMの両方において重要な働きを有する因子であることを明らかにした。本研究により、Rgk1は、異なる強度を有している記憶成分の制御を介して嗅覚記憶の安定性を規定する、記憶維持機構における重要な分子ファクターであることが示唆された。
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