本研究はグリア前駆細胞、あるいは幹細胞がグリアへ分化する遷移状態を捉える方法の開発を目的として行われた。そして、神経幹細胞発生における時系列特異的なグリア分化能変化に応じて変化する遺伝子発現の比較解析とin situ hybridizationによる発現解析により、グリア前駆細胞、もしくは神経幹細胞のグリアへの分化の指標となるマーカー遺伝子として、内向き整流性K+チャネルの一種であるKcnj16を同定した。そして、この遺伝子発現のレポーター系が神経幹細胞がグリア前駆細胞へ分化していく遷移状態を捉えるのに有用であることが示唆された。
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