我々は、膜電位感受性色素と用いた光学的測定法を鶏胚嗅覚系に適用し、嗅球におけるシナプス伝達機能が孵卵6-7日の段階で発現することを示した。嗅神経刺激により嗅球に誘発される後シナプス応答は、孵卵6-8では1相性応答であったが、孵卵9日には多相性となり、末梢側ではoscillationが見られることもあった。個体発生に伴いoscillationの出現頻度と持続時間は次第に増加し、シグナル波形が複雑になった。孵卵12日には、oscillationが1分位続く現象も観察された。Oscillationの周波数は個体発生と共に増加したが、孵卵9-12日の段階ではθ oscillationの範囲内であった。
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