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2016 年度 実施状況報告書

ヒト由来脳傷害誘導性神経幹細胞による新規神経再生療法の基盤的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K06723
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

中込 隆之  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80434950)

研究分担者 松山 知弘  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10219529)
田中 康恵  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (30723499) [辞退]
吉村 紳一  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40240353)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード脳梗塞 / 幹細胞 / 神経再生
研究実績の概要

本研究では、当大学の脳神経外科学と共同で、外減圧術のみならず、内減圧術が必要となった脳梗塞患者より梗塞巣のサンプルを採取し、ヒト由来(脳傷害/虚血誘導性幹細胞:injury/ischemia-induced neural stem cells: iNSPCs)の単離およびその特性に関して検討した。
これまでに、大脳から脳梗塞巣のサンプル(2例)を得ることができ、それらの所見を中心に解析を行った。両症例とも、梗塞巣は病理組織学的に壊死に陥っていたが、免疫組織化学染色にて梗塞領域に神経幹細胞のマーカーであるnestin陽性細胞の発現を認めた。nestin陽性細胞はペリサイトマーカーであるNG2やαSMAを発現していた。梗塞巣から単離した細胞をDMEM/F12, EGF, bFGF等を添加した接着系培地で培養すると、nestinを発現する細胞の増殖を認め、それらもin vivoの所見と同様にペイサイトマーカーを発現していた。さらに、RT-PCRにて、その細胞はnestin以外にも、c-myc, Klf4, Sox2といった幹細胞のマーカーを発現していることが確認できた。FACSにて表面マーカーを調べたところ、間葉系幹細胞(MSC)のマーカーであるCD44, CD90, CD105, CD166を発現していることが分かったが、その割合はMSCに比べて低かった。
これらの細胞を浮遊系で培養すると、neurosphere様の細胞塊を形成し、Tuj1陽性神経細胞に分化することも確認できた。また、この幹細胞は神経系以外の中杯葉系(脂肪、骨、軟骨等)にも分化することから、多能性幹細胞(ischemia-induced multipotent stem cells: iSCs)としての特性も有すると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヒト脳梗塞巣より、ヒト由来iNSPCsの単離に成功し、論文として成果報告もできたため。

今後の研究の推進方策

今後、ヒト由来iNSPCsの特性をさらに詳細に検討し、増殖、分化規定因子を探索することで、ヒト由来iNSPCsを介した神経再生療法を発展させていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、内減圧術の適応となった症例が少なかったため、必要な経費を次年度に持ち越した。

次年度使用額の使用計画

今年度は、症例が増加しており、申請予定額及び持ち越し額を使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Identification of multipotent stem cells in human brain tissue following stroke2017

    • 著者名/発表者名
      Kotaro Tatebayashi, Yasue Tanaka, Akiko Nakano-Doi, Rika Sak Saeko Kamachi, Manabu Shirakawa, Kazutaka Uchida, Hiroto Kageyamauma,, Toshinori Takagi, Shinichi Yoshimura, Tomohiro Matsuyama, Takayuki Nakagomi
    • 雑誌名

      Stem Cells Development

      巻: 未定 ページ: 未定

    • DOI

      10.1089/scd.2016.0334

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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