研究課題/領域番号 |
15K06730
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
関口 正幸 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所疾病研究第四部, 室長 (80260339)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 内環境受容 / 求心性迷走神経 / 適応 / 脳 |
研究実績の概要 |
生物にとって、自己の体内環境の変化を感知しこれに適応することは生存に重要である。体内環境感知において、内臓情報の取得には求心性迷走神経が重要な役割を果たすと考えられている。しかし、この体内環境感知により、高次脳機能が変動して、行動上の適応が引き起こされるのかは全く解明されていない。 そこで、本年度はマウスにおいて、肝臓の機能異常を人為的に誘発し、行動適応に重要な情動脳機能にどのような変化が起こるか検討した。その結果、肝機能を人為的に障害することにより(脂肪肝の誘導)、不安や恐怖などの情動脳機能に変化が引き起こされることが見出された。このうち、不安情動の変容は求心性迷走神経肝臓枝依存性であった。 以上より、肝機能の障害は求心性迷走神経を介して脳に伝播し、その結果情動脳機能に変化が引き起こされることが示された。これは、自己内臓環境変化に呼応して情動変容による行動適応が起こる可能性を示唆するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の研究において、内環境受容によると思われる脳高次機能の変容を見出すことが出来たのが理由である。形質的に内臓と脳が迷走神経などを介して連絡していることは分かっていたが、この回路を用いて脳高次機能変容による行動適応が惹起されるか否かは定かではなかった。我々の研究結果は、このことについて、高次脳機能の修飾による行動適応という次元までの末梢ー脳カップリングを示唆する可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
肝機能の変化による情動脳機能変容の回路メカニズムを明らかにする。まずは、求心性迷走神経の脳への入力領域である孤束核での神経活動変化について検討する。次に、孤束核から分界条床核への神経伝達について検討する。分界条床核は最近、不安に主要な役割を果たす脳部位であることが示されている。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会参加や物品購入予定が変更となった。
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次年度使用額の使用計画 |
学会参加費や物品購入費として使用する予定
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