新生児ラットにおける大脳皮質吸引実験により、前嗅核は嗅覚機能に関与しないこと、また嗅覚は前嗅核後方の嗅皮質(梨状皮質・嗅結節)の残存領域の大きさで決まることが明らかになった。成熟ラットにおける外側嗅索切断と神経毒注入を併用した複合損傷実験により、前嗅核は嗅覚に関与しないこと、また前嗅核後方の嗅皮質が約20%以上あれば嗅覚は正常に維持されることが明らかになった。新生児ラットにおける外側嗅索切断実験により、嗅覚は切断後10日で回復すること、また嗅覚の回復には、再生線維が嗅結節レベルの嗅皮質で、正常の約40%の領域に分布し、正常の約60%の密度まで増加する必要があることが明らかになった。
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