研究課題/領域番号 |
15K06739
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
安井 幸彦 島根大学, 医学部, 教授 (30174501)
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研究分担者 |
岡 達郎 島根大学, 医学部, 助教 (20508923)
横田 茂文 島根大学, 医学部, 准教授 (50294369)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | オレキシン / 視床下部 / 結合腕傍核 / 痛覚 / 覚醒 |
研究実績の概要 |
本研究は、痛み刺激による覚醒反応の発現に関わる新たな神経路の存在を、睡眠や覚醒の制御に深く関わっていることが知られている視床下部オレキシンニューロンの入出力に注目して、形態学的立場から確立することを目的とした。 平成27度は睡眠や覚醒に関わるオレキシンニューロンが分布する視床下部脳弓周囲領域に投射する結合腕傍核ニューロンの痛覚刺激による活性化の解析を、コレラトキシンサブユニットB(CTb)を用いた逆行性標識法とホルマリンの前肢足底注入によるFos蛋白発現との併用により行った。この結果、外側結合腕傍核において、CTbによって標識されたニューロン(オレキシンニューロンが分布する視床下部領域に投射するニューロン)の一部が、痛覚刺激によって活性化され、Fos蛋白を発現していることを確認した。また、生理食塩水の前肢足底注入によるコントロール群と比較して、ホルマリン注入例ではFos蛋白を発現したCTb標識ニューロンの数が有意に増加していることを、統計学的に証明した。 さらに、視床下部オレキシンニューロンへの外側結合腕傍核からの入力についても電子顕微鏡を用いて解析し、外側結合腕傍核線維がオレキシンニューロンの細胞体や樹状突起と非対称性のシナプスを形成していることを確認した。しかし、ホルマリン前肢足底注入によってFos蛋白を発現するオレキシンニューロンと外側結合腕傍核線維との接合様態に関しては十分な結果が得られていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ホルマリン前肢足底注入によってFos蛋白を発現するオレキシンニューロンと外側結合腕傍核線維との接合様態に関しては十分な結果が得られていない。その理由として、現在行っている三重標識法に問題があると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
痛覚刺激によって活性化し、Fos蛋白を発現するオレキシンニューロンへの外側結合腕傍核入力線維についての実験を、三重標識法の改善によって進める。さらに、覚醒や睡眠の制御において重要な位置を占めている青班核や背側縫線核に投射するオレキシンニューロンへの外側結合腕傍核からの入力についても、新たに実験を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用した実験動物の匹数が予定していた数よりもやや少なくなり、それに伴って私用したガラス器具などの消耗品も少なくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度における実験数の増加と、それに伴う消耗品費の増加を考える。
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