哺乳類発生期の大脳新皮質は、興奮性ニューロンによって形成される6層構造を有しており、脳の高次活動を可能にしている。本研究は、分泌タンパク質Reelinによる層構造形成機構を解明することを目的として遂行した。 本研究で、Reelinにより誘導される神経細胞凝集塊形成がN-cadherinによる接着力の亢進を媒介して起こること、および、このN-cadherinを介した細胞間接着増強が一過的であることを見出した。また、Nck2、p120catenin両分子が、このReelinによるN-cadherin依存性細胞接着制御機構に関与することも明らかにした。本研究の成果は国内外の学会および国際誌で発表した。
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