研究課題/領域番号 |
15K06746
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
本田 岳夫 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30365225)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | Reelin / Dab1 / reeler / yotari / 神経細胞移動 / 翻訳後修飾 |
研究実績の概要 |
発達期の大脳新皮質では、興奮性神経細胞が脳室に面した脳室帯で産生され、神経幹細胞が伸ばす放射状の突起に沿って脳表面に向かって移動する。Reelinは脳表層に分布するCajal-Retzius細胞から分泌される巨大な糖タンパク質で、神経細胞の移動や発達に必須の役割を持つことが知られている。reelin遺伝子に変異を持つreelerマウスでは、神経細胞の移動障害により神経細胞の最終的な配置が野生型マウスに比べて大幅に乱れる等様々な異常が観察される。ReelinシグナルはReelinの受容体であるApoER2やVLDLRを介して移動神経細胞の細胞内のDab1にチロシンリン酸化という形で伝達され、下流の様々なシグナル伝達系を介して神経細胞移動等が制御されていると考えられている。しかしながら、チロシンリン酸化以外のDab1の翻訳後修飾候補部位が、進化的に高度に保存されていることから何らかの役割を持つ可能性を考え、本研究では神経細胞移動と、初期の樹状突起形成への必要性を検討している。これまでにエレクトロポレーションを用いたレスキュー実験により、候補となるアミノ酸が神経細胞移動や、樹状突起形成に関与する可能性が示唆された。一方、エレクトロポレーション法を用いた実験では神経幹細胞にプラスミドベクターを導入するため、神経細胞移動への障害が二次的に樹状突起形成にも影響を及ぼす可能性を否定出来ない。そこで神経細胞の移動終了後に遺伝子の機能解析を行うことの出来る実験系を構築し機能解析を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスを用いた実験で統計解析に用いるサンプル数を得るのに予想以上に時間が掛かっている為。
|
今後の研究の推進方策 |
マウス効率的な使用により、より多くのサンプル数を得る。
|
次年度使用額が生じた理由 |
実験消耗品の効率的な運用を行った為。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度の実験消耗品の購入に充てる。
|