内側側頭葉てんかんでは、臨床的に海馬にてんかん原性があると考えられている。切除された海馬組織における病理組織像には幾つかのパターンがあることが知られているが、これまではこうした病理組織像に対応した異常神経活動を、神経回路レベルで詳細に解析する術がなかった。そのため、てんかん患者の脳手術標本から生体外で異常な神経活動を可視化する手法を確立し、内側側頭葉てんかんの発症メカニズムを検討した。その結果、切除された海馬の中でも、海馬支脚で異常な神経活動が生じていることを見出し、さらに、この異常神経活動にはグリア細胞の機能異常が大きく関わっていることを明らかにした。
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