IP3R1は脊髄小脳失調症(SCA)の原因遺伝子の一つであるが、IP3R1の異常がどのようにSCAを起こすのかは不明である。本研究では、脳特異的IP3R1欠損マウスを用いて、IP3R1欠損により、カルシウム結合タンパク質であるカルビンデインの発現がプルキンエ細胞において顕著に低下することを明らかにした。また本研究では、SCA29患者に新たに見出したIP3R1のサプレッサー領域に存在する点変異の生化学的解析に関してもおこなった。その結果、この変異型のIP3R1は、IP3に対して高い親和性をもち、持続的な多くのカルシウム放出を示す事を明らかにした。
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