研究課題
優性遺伝パーキンソン病(PD)の原因分子Leucine-Rich Repeat Kinase 2(LRRK2)に変異をもつPD患者は、臨床症状や発症年齢、治療薬レボドパに対する反応性が孤発性PD患者と類似した特徴を示す。そのためLRRK2の解析は、PDの発症機序を理解する上で重要と考えられる。本年度の研究では、ゲノム編集技術であるTranscription Activator-Like Effector Nucleases(TALEN)を用いて、I2020T変異LRRK2をもつ相模原家系内PD患者のiPS細胞(I2020T LRRK2-iPSC)から遺伝子修復した患者iPSC(TALEN-iPSC)の樹立を行った。その結果、22株中5株の患者iPSCにおいてI2020T変異の修復に成功した。その後、薬剤選択の中から得られた42株のiPSCを選別し、最終的に11株のTALEN-iPSCを樹立した。また、TALEN-iPSCのcharacterizationでは、樹立した遺伝子修復iPSCの正常な核型および遺伝子オフターゲット効果がないことを確認した。さらに、TALEN-iPSCから神経細胞およびドーパミン作動性神経細胞への分化誘導に成功した。
2: おおむね順調に進展している
本年度は、研究計画Ⅲ)遺伝子修復した患者iPSCが作製でき、神経細胞およびドーパミン作動性神経細胞への分化誘導に成功している為。
今後、薬剤スクリーニングによる神経保護効果をもつ薬剤の探索を進める必要がある。
基金の前年度未使用金を使用した為。
前年度未使用金を使用した為、次年度の使用計画には影響ない。
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