研究課題
優性遺伝パーキンソン病(PD)の原因分子LRRK2に変異をもつPD患者は、臨床症状や発症年齢、治療薬レボドパに対する反応性が孤発性PD患者と類似した特徴を示す。そのためLRRK2の解析は、PDの発症機序を理解する上で重要と考えられる。そこで本研究では、I2020T変異LRRK2が起因となるパーキンソン病の発症機序の解明とその病態モデルの確立を目指し、I2020T変異LRRK2を有する相模原家系内PD患者iPS細胞(LRRK2-iPSC)と剖検脳を用いた病態解析を行うことを目的とした。本年度は、TALENによるゲノム編集技術でLRRK2-iPSCにおけるI2020T変異を遺伝子修復して樹立したTALEN-iPSCのcharacterizationについて解析を進めた。樹立TALEN-iPSCのcharacterizationの結果、多能性マーカー発現および三胚葉へそれぞれ分化することを確認した。さらに、神経細胞へ分化誘導させ病態解析を行った結果、TALEN-iPSC由来神経細胞では、I2020T LRRK2-iPSC由来神経細胞でみられた神経突起の異常短縮や酸化ストレスに対する細胞脆弱性が健常者iPSC由来神経細胞と同程度まで回復していた。また、LRRK2を標的にしたLRRK2 inhibitor群を投与して神経突起長への影響を調べた結果、LRRK2-IN1投与時では、非投与時と比較し、神経突起長の伸長がみられた。
「難病患者iPSを修復」読売新聞 2017年4月3日 社会34面
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Stem Cell Research
巻: 24 ページ: 36~39
10.1016/j.scr.2017.07.029
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170403-OYTET50009/?catname=news-kaisetsu_news