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2016 年度 実施状況報告書

パーキンソン病発症における慢性ストレスおよび活性化ミクログリア作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K06783
研究機関日本医科大学

研究代表者

洲鎌 秀永  日本医科大学, 医学部, 講師 (70302461)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード慢性ストレス / ドーパミン / ミクログリア / パーキンソン病 / 酸化ストレス / ノルアドレナリン / 黒質 / 青斑核
研究実績の概要

申請者は慢性ストレスによる黒質(Substantia Nigra)ドーパミン細胞および青斑核(Locus Ceruleus)ノルアドレナリン細胞の神経変性を報告した(Sugama et al., Brain Behav Immun 2016)。更に、腹側被蓋野および視床下部のドーパミン細胞も有意に減少している事を突き止めた(Sugama et al., Neurosci Res 2016)。今年度は、慢性ストレスによって引き起こされるドーパミン神経変性におけるメカニズムについて検討した。まず、ミクログリア活性化および酸化ストレスの抑制の目的で、ミノサイクリンを試みた。結果として、ストレス後の急性期にはミクログリアの抑制は起こるものの、慢性期ではその作用が減弱を示した。ドーパミン変性については、HPLC、免疫組織化学、In Situ Hybridizationで比較した所、ミノサイクリンによる神経保護作用は認められなかった。むしろ、ストレスによるドーパミン産生低下を強める結果も認められた。ドーパミン以外のノルアドレナリン、セロトニンについても同様であった。ミクログリア抑制剤であるミノサイクリン使用(長期)では、場合によって神経毒性を発揮する可能性が示唆された。但し、同薬剤の脳虚血性神経変性への保護効果は他の論文で報告されており、私たちの結果との相違については更なる検討が求められる。今回はネガティブデータであり当初の予想と異なるものとなったが、ストレスによる神経変性メカニズム検討への更なる課題を明らかにする事が出来た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

慢性ストレスによるドーパミン神経変性において、ミノサイクリンの効果を調べる事が出来た。

今後の研究の推進方策

ドーパミン神経変性の一因としてのミクログリア関与において、その作用を検討していく。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Letter to the Editor Re:"Reconsidering the role of glial cells in chronic stress-induced dopaminergic neurons loss within the substantia nigra? Friend of foe?" by Ong et al. Brain Behavior and Immunity, 2016.2017

    • 著者名/発表者名
      Sugama S, Kakinuma Y
    • 雑誌名

      Brain Behav Immun

      巻: 60 ページ: 383

    • DOI

      10.1016/j.bbi.2016.11.028

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Non-neuronal cardiac cholinergic system influences CNS via the vagus nerve to acquire a stress-refractory propensity2016

    • 著者名/発表者名
      Oikawa S, Kai Y, Tsuda M, Ohata H, Mano A, Mizoguchi N, Sugama S, Nemoto T, Suzuki K, Kurabayashi A, Muramoto K, Kaneda M, Kakinuma Y
    • 雑誌名

      Clin Science

      巻: 130 ページ: 1913-28

    • DOI

      10.1042/CS20160277

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Loss of dopaminergic neurons occurs in the ventral tegmental area and hypothalamus of rats following chronic stress: Possible pathogenetic loci for depression involved in Parkinson's disease2016

    • 著者名/発表者名
      Sugama S, Kakinuma Y
    • 雑誌名

      Neurosci Res

      巻: 111 ページ: 48-55

    • DOI

      10.1016/j.neures.2016.04.008

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Loss of dopaminergic neuronss occurs in the ventral tegmental area and hypothalamus of rats following chronic stress: Possible pathogenetic loci for depression involved in Parkinson's disease2017

    • 著者名/発表者名
      Sugama S, Kakinuma Y
    • 学会等名
      日本生理学会
    • 発表場所
      浜松市
    • 年月日
      2017-03-28 – 2017-03-30

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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