近年多くの精神疾患関連遺伝子の選択的スプライシング(AS)異常が報告されている。本研究成果により、hnRNPA1の発現バランスが脳構築過程におけるASに重要であり、その攪乱が、髄鞘や神経細胞の分化異常を来すことが解った。この現象には、すでに精神疾患で関連が指摘されている因子群が広く関与していた。一方hnRNPA1には、新規のAS産物が存在し、各臓器で発現が違うことも解った。また、新規AS産物と既存のAS産物が複合体を形成し、これらAS産物複合体の発現バランスの違いが、各種臓器間での機能や脆弱性の違いに関与する可能性が示唆された。
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