研究課題
基盤研究(C)
足場非依存性増殖はがん細胞に特徴的であり有望な治療標的と考えられるが、そのメカニズムの全容は未だ不明である。そこで、足場非依存性増殖に関わる分子Xに着目し、分子Xの生体における役割、特にがん進展における役割の解明を目指した。ノックアウトマウスの解析により、分子Xはがん細胞だけでなく腫瘍免疫抑制細胞にも発現しその数を増加させていることが分かった。また、乳がんモデルマウスを用いた解析から、分子Xは個体レベルでのがんの増殖と転移を促進することが明らかとなった。
分子腫瘍学
本研究により分子Xが、がん細胞だけでなくがん間質細胞にも発現し、腫瘍免疫を抑制することでがんの進展を促進していることが明らかとなった。分子Xはいわゆるがん精巣抗原であり、精巣以外の正常組織ではほとんど発現していないことから、分子Xを標的としてがん細胞とがん間質細胞の両者を制御することで、新たながん治療法の開発が期待される。
