研究課題/領域番号 |
15K06832
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腫瘍生物学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
深町 博史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (70134450)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | スキルス胃がん / がん幹細胞 / mTOR阻害剤 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 初代培養 / PDX / 分子標的治療 |
研究成果の概要 |
がん関連線維芽細胞(CAF)非存在下でスキルス型腫瘍を形成するPDXを樹立した。そこで胃がん幹細胞とCAFとの相互作用を調べる実験は中止した。このPDXを用いて、スキルス胃がん幹細胞の増殖を抑制する薬剤を検討し、mTOR阻害剤が細胞増殖を特異的に抑制することを見出した。クラスター解析の結果、スキルス胃がんは、正常胃上皮から形成される群と、分化型胃がんから形成される群に分けられること、後者には、突然変異が多く、免疫チェックポイント阻害剤に反応する胃がんが多数含まれることが示された。よって一部のスキルス胃がんは、mTOR阻害剤と免疫チェックポイント阻害剤の両方に反応すると考えられる。
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自由記述の分野 |
分子腫瘍医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で我々は、mTOR阻害剤がスキルス胃がん幹細胞の増殖を特異的に抑制すること、スキルス胃がんの一部は分化型胃がんから派生し、多くの突然変異を持つことを明らかにした。これまで、スキルス胃がんは正常胃上皮細胞から形成され、突然変異は少ないと考えられてきた。突然変異が少ない腫瘍細胞は免疫チェックポイント阻害剤に反応しないので、スキルス胃がんの治療には免疫チェックポイント阻害剤は使われていない。我々の研究は、スキルス胃がんの一部は免疫チェックポイント阻害剤に反応性が高いことを示唆している。本研究で同定された薬剤が、スキルス胃がんの治療に著効を示すか否かは今後の検討課題である。
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