本研究では悪性リンパ腫が発症、進展化の過程でどのような機構を経て免疫回避を行うのかマウスモデルを用いて解析を実施した。その結果、①非ホジキンリンパ腫の起源細胞である胚中心B細胞で発現するFasがリンパ腫では低発現であること、②CD40シグナル活性化によってFas発現を回復させると、細胞障害性T細胞が発現するFasリガンドによりアポトーシスが誘導されること、③Livinを発現するヒトリンパ腫細胞株はFas抵抗性を獲得することを見出した。実際Livin高発現はリンパ腫患者の予後不良と相関するため、LivinがFas-Fasリガンドによる腫瘍免疫を復活させる新たな治療標的となり得ることを示した。
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