研究課題
難治性の血液腫瘍であるATLは、ウイルスHTLV-1の感染から数十年の潜伏期間を経て発症に至る。発症までには、ウイルス由来のがん遺伝子(Tax、HBZ)以外に宿主側のゲノム、エピゲノム異常の蓄積が必要と考えられているが、その実態は充分には明らかにされていない。申請者はこれまで、AKTシグナルの活性化がATL由来細胞株の造腫瘍性に関与することを明らかにしてきた。今年度は以下の解析結果を得た。1)前年度に、ATL由来細胞においてWntシグナルの抑制因子であるNKD2の低下によりAKTのリン酸化が亢進することを見出した。そこでWntシグナルの活性化状態を、その指標であるTOP/FOPプロモーター活性、およびβカテニンの核局在で確認したところ、NKD2の発現、さらにはAKTリン酸化亢進との相関性は観察されなかった。少なくともcanonicalなWntシグナル経路がATL由来細胞でのAKTリン酸化に関与している可能性は低いと考えられた。2)AKTリン酸化が亢進している高造腫瘍性ATL細胞でNotch1の発現レベルが高いことが明らかになり、NotchシグナルがATL由来細胞でのAKTリン酸化に関与していることが示唆された。
すべて 2018 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
Oncol Lett.
巻: 15 ページ: 509-514
10.3892/ol.2017.7322.
Oncotarget
巻: 9 ページ: 20008-20017
10.18632/oncotarget.25026.
巻: 9 ページ: 31187-31199
10.18632/oncotarget.25435.
Prog Mol Biol Transl Sci.
巻: 156 ページ: 121-150
10.1016/bs.pmbts.2017.12.005.
https://www.miyagi-pho.jp/mcc/kenkyu/katsudou/hatugan-seigyo/index.html