研究課題/領域番号 |
15K06855
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
小原 英幹 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (10612476)
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研究分担者 |
正木 勉 香川大学, 医学部, 教授 (30335848)
森 宏仁 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (20568844)
藤田 浩二 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50749421)
藤原 新太郎 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (30612486)
大森 典子 (西山) 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50613410)
森下 朝洋 香川大学, 医学部, 助教 (60423430)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 消化管間葉系腫瘍 / microRNA |
研究実績の概要 |
消化管粘膜下腫瘍は,正常粘膜に覆われ,粘膜上皮下を主体に発育する腫瘍の総称であり,通常の上皮組織生検で診断困難である.それゆえ,特に小さな腫瘍では,未診断のまま,経過観察され患者様の不安感は拭えない.臨床的には,疾患比率的に悪性の素質を有する消化管間葉系腫瘍(gastrointestinal stromal tumor: GIST)と良性平滑筋腫の鑑別意義は大きい.我々が開発した内視鏡による粘膜下トンネル生検法の特色は,従来の組織採取法に比較し,小さな腫瘍でも腫瘍視認下に確実な純検体を得ることが可能な点である.基礎研究に適したその純検体を用いてmicroRNAの網羅的解析を行い,有意発現した特異的microRNAが新たな血清学的鑑別マーカーとなる診断法の確立を目指している.同じく,悪性度別GISTの増殖・転移能についてmicroRNAによる分子メカニズム解明を進めていくとともに新たな創薬の可能性を探求している.現在、臨床サンプルの取得はほぼ完了している。本研究は、GISTと良性平滑筋腫の血清鑑別マーカー探索を主目的の一つとしている。前述のトンネル生検法で得られたFletcher分類転移低リスクGIST 9例と良性平滑筋腫7例のヒト組織サンプルにおいて2555種類のmicroRNAのうちreal time PCR法で有意差を確認できたGISTで発現の高い特異的miRNA140-3p, 5pを検出しえた(K. Fujita, H. Kobara, et.al. Endosc Int Open. 2015; 6: E665-71).これらのデータからGIST10例と平滑筋腫6例の血清miRNAを探索したものの、有意差のあるmiRNAは検出されなかった。 そこで、次に血清中のエクソソームに含まれるmiRNAに解析の対象を移しGIST10例及び健常者10例の血清よりエクソソームmiRNAを抽出し,2555種類のmicroRNAの発現をmicroarrayを用いて網羅的解析を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部の研究結果が論文で公表されている。臨床サンプルの取得はほぼ完了している。本研究は、消化管間葉系腫瘍(gastrointestinal stromal tumor: GIST)と良性平滑筋腫の血清鑑別マーカー探索を主目的の一つとしている。前述のトンネル生検法で得られたFletcher分類転移低リスクGIST 9例と良性平滑筋腫7例のヒト組織サンプルにおいて2555種類のmicroRNAのうちreal time PCR法で有意差を確認できたGISTで発現の高い特異的miRNA140-3p, 5pを検出しえた(K. Fujita, H. Kobara, et.al. Endosc Int Open. 2015; 6: E665-71).これらのデータからGIST10例と平滑筋腫6例の血清miRNAを探索したものの、有意差のあるmiRNAは検出されなかった。 血清miRNAの解析からはバイオマーカーとなるmiRNAを同定できなかったので,次に血清中のエクソソームに含まれるmiRNAに解析の対象を移した.GIST10例及び健常者10例の血清よりエクソソームmiRNAを抽出し,2555種類のmicroRNAの発現をmicroarrayを用いて網羅的に解析した.その結果,GIST群において健常者群に比べて6倍程度の発現を示すmiRNAを1分子同定した.一方、GIST野生株とスニチニブ耐性株を入手後、トランスクリプトーム解析及びmiRNAの網羅的解析をそれぞれ行った.そしてトランスクリプトーム及びmiRNAのアレイデータを組み合わせてパスウェイ解析を行った.その結果,スニチニブ耐性に関連すると考えられるmiRNA及びその標的遺伝子の組み合わせを同定することができた.
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今後の研究の推進方策 |
両疾患間の血清miRNAで特異的miRNAは検出できなかったものの、現段階で血清エクソソーム解析において、間葉系腫瘍患者の血清と正常人の血清の比較で優位な差がえられており、新たなバイオマーカーを模索している。また、当科では食道腺癌に対する降圧剤テルミサルタンの抗腫瘍効果が証明され(Fujihara S, Kobara H, Masaki T, et al. Oncotarget. 2017; 31; 8: 8536-8549)GISTに対する新たな創薬としてその可能性を探索している。
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