研究課題/領域番号 |
15K06868
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野村 幸世 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70301819)
|
研究分担者 |
細谷 紀子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (00396748)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 腹膜播種 / 胃癌 / 内照射 / 骨髄由来間葉系幹細胞 |
研究実績の概要 |
我々は胃癌腹膜播種の癌細胞周囲に癌間質細胞を伴っており、この多くが骨髄由来細胞であることを見出した。また、我々はC57BL/6マウス可移植性胃癌細胞株を樹立し、これを用いて、マウス胃癌腹膜播種モデルを作成した。骨髄由来間葉系幹細胞にヨードトランスポーターである、sodium iodide synporter (NIS)をトランスフェクションし、腹膜播種モデルマウスに投与したのち、γ線を出す放射性ヨード123I、124Iを投与し、胃癌腹膜播種周囲に集積していることを観察すると同時に、β線を出す131I 投与により、そのバイスタンダーエフェクトによる抗腫瘍効果を検討することを目的とする研究である。 本年度は樹立したマウス可移植胃癌細胞株においてCRISPR/CAS9を用いて、遺伝子をノックダウンできることを確認し、骨髄由来間葉系幹細胞を癌周囲により集積させられる可能性を検討した。 また、本年度は腹膜播種周囲に骨髄由来間葉系幹細胞が最も効率良く集積するマウスへの投与法を検討し、確立した。さらに、昨年度、アメリカの共同研究者から送付されたNIS発現ベクターを骨髄由来間葉系幹細胞へトランスフェクションし、NISの発現をRT-PCRにて確認したものの、ウェスタンブロットでは確認できず、苦労していた。タグとしてつけてあるFLAGも確認できなかった。このため、ベクターのシークエンスを行い、FLAGは共同研究者からの情報とは数が異なっていることが判明した。NISの発現は抗体を試行錯誤し、ウェスタンブロットで同定するに至った。これにより、目的とするNIS発現骨髄由来間葉系幹細胞の作成が完了した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度、アメリカの共同研究者から送付されたNIS発現ベクターを骨髄由来間葉系幹細胞へトランスフェクションし、NISの発現をRT-PCRにて確認したものの、ウェスタンブロットでは確認できず、苦労していた。タグとしてつけてあるFLAGも確認できなかった。アメリカの共同研究者に問い合わせたが、明確な回答はなかった。 このため、ベクターのシークエンスを行い、FLAGは共同研究者からの情報とは数が異なっていることが判明した。NISの発現は抗体を試行錯誤し、ウェスタンブロットで同定するに至った。これにより、目的とするNIS発現骨髄由来間葉系幹細胞の作成が完了したが、アメリカから送付されたベクターが情報と異なっていたため、研究に遅れを生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
若干の遅れを生じたものの、目的とする細胞の作成には成功したため、予定通り、実験を遂行する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況に若干の遅れをきたしているために、次年度使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
使用計画は従来の計画通り、アイソトープ施設における実験に当てる予定である。
|