現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.VHL変異悪性胸膜中皮腫細胞株NCI-H28において、gefitinib, erlotinib, afatinib, lapatinib, crizotinib, vandetanib, dabrafenib, trametinib, selumetinib, YC-1という各種のキナーゼ阻害剤に対する感受性を検討した。その中でHIF-1α阻害剤であるYC-1に対してのみ高い感受性を示し、他のEGFR阻害剤、HER2阻害剤、ALK阻害剤、MEK阻害剤、VEGFR阻害剤、BRAF阻害剤には感受性を示さなかった。これによりVHL変異悪性胸膜中皮腫細胞株NCI-H28がHIF-1α阻害剤に特異的に感受性を示すことを確認した。 2.VHL野生型であるMSTO-211HおよびNCI-H2052細胞とVHL変異悪性胸膜中皮腫細胞株NCI-H28においてHIF-1α阻害剤であるYC-1によるアポトーシス誘導について比較検討を行った。APO-BRDU法により検討を行い、VHL変異悪性胸膜中皮腫細胞株NCI-H28においてのみ、48時間後に強いアポトーシス誘導を認めた。同様にウェスタンブロット法においても、アポトーシス誘導の使用となるcleaved PARPの強い誘導をNCI-H28細胞株においてのみ認めた。 3.さらに、VHL変異悪性胸膜中皮腫細胞株NCI-H28に対して、HIF-1αのノックダウン細胞株の樹立の取り組みを開始した。HIF-1αのノックダウンによる各種阻害剤に対する感受性の変化等を観察する予定である。
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