研究課題
新規抗悪性リンパ腫抗体4713mAbは補体やADCC非依存性に悪性リンパ腫や成人T細胞白血病細胞を殺していたが、これが細胞骨格依存性でかつROS産生とも無関係であること、caspase非依存性であり、あらゆる面からアポトーシス(apotosis)でないことを証明した。そしてこの抗体がpan HLA class IIを認識していることを明らかにするとともに、この抗体や研究代表者が以前に樹立したanti-pan MHC class I mAb,RE2がともにリンフォーマ細胞に巨大な穴を30分以内にあけることから、これらの抗体が導く細胞死をアナポコーシス(anapocosis)と名付けた。これらの成果はPLOS ONEにarticleとして発表した。Establishment of a Therapeutic Anti-Pan HLA-Class II Monoclonal Antibody That Directly Induces Lymphoma Cell Death via Large Pore Formation.に発表され、国際特許として以下の公布を受けた。国際特許: Therapeutic agent for malignant tumor expressing MHC class II (米国特許):PATENT NO. 9303083 (ISSUE DATE 0405/2016)Title of Invention: THERAPEUTIC AGENT FOR MALIGNANT TUMORS EXPRESSING MHC CLASS II First Named Inventor: Shuji Matsuoka(日本特許):日本特許5884139号 MHCクラスIIを発現する悪性腫瘍の治療薬(平成28年2月19日登録) 発明者:松岡周二、石井保之なお上記の成果は日経産業新聞、科学新聞などから多くの報道がなされた。
1: 当初の計画以上に進展している
アナポコーシスとアポトーシスの差異を証明できる実験は当初限られた方法しかなかったが、いくつかの新しいアポトーシスを証明するアッセイ法が開発され、それを行い検討することによって、一気にアナポコーシスとアポトーシスが異なるdeath signalであることを証明することが出来た。
順天堂大学が論文と国際特許についてプレス リリースしてくれたおかげで、多くの研究者に知られることとなり、金沢大学、長崎大学との共同研究を始めることに繋がった。今後は実際の患者の白血化した血液を用いて、in vitroでの抗体の傷害効果を確かめる。
順天堂大学医学部病理・腫瘍学講座の松岡周二助教と理研の石井保之らの研究グループは、悪性リンパ腫細胞や成人T細胞白血病(ATL)*1細胞を今まで知られている仕組みとは異なった機序(アナポコーシス)で死滅させる抗体(4713モノクローナル抗体:mAb4713)を樹立しました。これにより、今までの抗がん剤や分子標的薬で治療できなかった患者さんや再発した患者さんに対し、効果的な治療薬の開発が見込まれます。
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PLoS One.
巻: 11(3) ページ: e0150496.
10.1371
http://news.mynavi.jp/news/2016/04/07/092/
http://news.livedoor.com/article/detail/11386379/
http://www.juntendo.ac.jp/news/20160406-01.html
http://www.qlifepro.com/news/20160408/malignant-lymphoma-therapeutic-antibodies-of-the-new-mechanism-of-action.html
http://science-soku.blog.jp/archives/2016-04-07.html