研究課題/領域番号 |
15K06899
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤 英博 九州大学, 生体防御医学研究所, 特任講師 (10353468)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ハダカデバネズミ / メチローム / DNAメチル化 / エピゲノム / エピジェネティクス / 次世代シークエンサー / 真社会性 |
研究実績の概要 |
ハダカデバネズミ(Heterocephalus glaber)は(1)1匹の女王、数匹の王および多数の兵士・労働者から構成される階級社会の形成、(2)平均28年の長寿命をもたらす"老化耐性"・腫瘍形成が確認されない"がん化耐性"、の2つの際立った特徴をもつ。ハダカデバネズミの全ゲノム配列は2011 年に報告されているものの、その基盤データを活用したエピゲノム解析の報告は見当たらない。本計画研究では、上記2つの特徴をエピジェネティック機構の1つであるDNAメチル化の観点から解明する目的で、次世代シークエンサーを用いた全ゲノムバイサルファイトシークエンシング(WGBS)によるゲノムレベルでのDNAメチル化(メチローム)解析を行う。 ハダカデバネズミの階級社会において、繁殖を行う雌は巣内にいる1匹の女王のみである。しかし、女王から引き離された下位の雌個体は数ヶ月後に自動的に女王化(排卵)することから、女王以外の雌個体は何らかの機構により性的成熟を抑制していると考えられる。 平成28年度は、前年度に引き続き、下位階級の雌における性的成熟の抑制機構を解明する目的で、下位階級の雌の子宮・卵巣・卵管のDNAメチル化解析をWGBSにより実施し、メチローム情報の収集を試みた。共同研究先から提供されたハダカデバネズミの子宮・卵巣・卵管の組織から、post-bisulfite adaptor tagging(PBAT)法によりバイサルファイト処理したライブラリを作製した。続いて、次世代シークエンサーを用いてWGBSを行い、本計画で予定していた塩基配列の取得を完了した。現在、その配列データ群を用いた情報解析を行い、ハダカデバネズミの子宮・卵巣・卵管のメチロームマップを作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた細胞種の全ゲノムバイサルファイトシークエンシングが完了し、上質な塩基配列群を得た。また、それらの塩基配列群をハダカデバネズミのゲノム配列に貼り付けた(マッピング)結果、問題なく貼り付いた。
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今後の研究の推進方策 |
予定していた細胞種の全ゲノムバイサルファイトシークエンシングが完了したため、得られた塩基配列群を用いた情報解析を実施し、複数のメチロームマップを作成する。続いて、メチロームマップの比較解析を実施し、生物種および細胞種に特異的なDNAメチル化可変領域を抽出する。
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