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2017 年度 実績報告書

ハダカデバネズミの女王化抑制と老化耐性をもたらすエピゲノム修飾の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K06899
研究機関九州大学

研究代表者

藤 英博  九州大学, 生体防御医学研究所, 特任講師 (10353468)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードハダカデバネズミ / エピジェネティクス / DNAメチル化 / メチローム / 全ゲノムバイサルファイト解析 / 真社会性 / 女王化
研究実績の概要

ハダカデバネズミは哺乳類として極めて珍しく、真社会性という分業制の階級社会を巣穴で形成する。1匹の女王と数匹の王のみが繁殖を行い、他の個体は雌雄共に不妊化して兵士・労働者として巣内の仕事に携わる。ただし、女王から引き離された下位の雌個体は数ヶ月後に自動的に女王化(排卵)することから、兵士・労働者の雌は性的な成熟を可逆的に抑制している。しかし、性的成熟の抑制および抑制解除の機構は不明である。
そこで、下位の雌の性的成熟を抑制する機構の候補として、申請者はエピジェネティクス機構に着目した。本研究では、エピジェネティクス修飾の一つであるDNAメチル化が雌の性的成熟の抑制に関わる可能性を探ることを目的とした。具体的には、ハダカデバネズミの下位の雌が持つ子宮・卵巣・卵管の各組織におけるゲノム上の全てのDNAメチル化状態(メチローム)を、全ゲノムバイサルファイト解析法により解読した。
手順としては、子宮・卵巣・卵管の各組織からゲノムDNAを抽出して、post-bisulfite adaptor tagging法によりバイサルファイト処理したライブラリを作成した。続いて、次世代シークエンサーにより上質な塩基配列群を作成し、高い信頼性と網羅性を持つDNAメチル化の基盤データを取得した。それらの塩基配列群を用いて情報解析を行い、ハダカデバネズミの子宮・卵巣・卵管の各メチローム地図を作成した。これにより、研究が進んでいないハダカデバネズミのエピジェネティクスの一端を明らかにした。現在、作成したメチローム地図を解析して、雌の性的成熟の抑制にDNAメチル化が関わる可能性を探っている。また、ハダカデバネズミは長寿命で老化・がん化しない特性も持つため、本研究によるDNAメチル化の基盤データは、ヒトの老化・がん化予防の研究に活用されることも期待される。

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公開日: 2018-12-17  

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