研究課題/領域番号 |
15K06909
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
辻田 実加 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (60397180)
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研究分担者 |
Huber Vincent 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (40422620)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 遺伝子発現解析 / 遺伝子マッピング / 小胞体ストレス応答 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、翻訳開始因子eukaryotic translation initiation factor (eIF)2Bεサブユニット突然変異マウスの解析によるVanishing white matter (VWM)型白質脳症の病態決定因子検索である。本年度はB6N4系統(B6マウスへ4回の戻し交配を行った系統)、C3HN4系統(C3Hマウスへ4回の戻し交配を行った系統)の交配により作成したF1系統, F2系統の表現型解析、遺伝子マッピング、また、それぞれの系統を用いた遺伝子発現解析(マイクロアレイ)を行った。 歩行異常出現時期の解析では、F1系統はすべて15週令以降に歩行異常が出現した。一方、F2系統においては8週令から15週令まで、出現時期のばらつきが得られ、さらに連鎖解析の進めるサンプル数も得られた。F1系統、F2系統の尾をサンプリングし、遺伝子マッピングを行った。マッピング結果と表現型を用い連鎖解析の検討を開始した。病理学的解析では変異マウスにおいて小脳バーグマングリアの形態異常がみられること、この形態異常は4週令以降に進行していく可能性が示唆された。 連鎖解析の指標として歩行異常を用いることから、遺伝子発現解析のサンプルとしては小脳を用いることとした。解析サンプル数に制限があることからB6N4系統、C3HN4系統のToy間での比較を行うこととし、解析を実施した。両系統で eIF2Bεサブユニットの突然変異による機能異常を反映した小胞体ストレス応答関連遺伝子の発現上昇がみられる一方で、系統間で発現量差が明らかな遺伝子群が検出できた。 次年度は上記の結果を照合、評価してVWM型白質脳症病態決定因子の同定を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書の計画から遺伝子発現解析に用いるサンプルの変更等があったものの、今年度に予定した実験は完了している。
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今後の研究の推進方策 |
研究はおおむね順調に推移している。 次年度は遺伝子発現解析、連鎖解析(遺伝子マッピングと表現型)の結果を用い病態決定に関わる因子を検索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度において次年度に予定していた遺伝子発現解析を前倒しで行うことになり、研究費の不足が生じるため前倒し支払い請求を行った。解析経費や試薬購入費の価格変更や国内旅費使用の減小などにより、最終的な支出額は予定を下回り次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
論文投稿料として20万円、一般試薬購入として30万円程度の支出を計画している。
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