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2017 年度 実績報告書

VWM型白質脳症の病態決定因子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 15K06909
研究機関新潟大学

研究代表者

辻田 実加  新潟大学, 脳研究所, 准教授 (60397180)

研究分担者 Huber Vincent  新潟大学, 脳研究所, 准教授 (40422620)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードVanishing white matter / 白質脳症 / 連鎖解析 / EIF2B5 / 小脳 / 遺伝子発現解析
研究実績の概要

本年度は病理解析による系統間の比較と遺伝子発現解析、連鎖解析(遺伝子マッピングと歩行の表現型)の結果を用いた病態決定因子の検索を行った。
遺伝子発現解析ではB6N4系統、C3HN4系統の 野生型(WT)と突然変異マウス(Toy)のそれぞれについて解析を行い、系統間、およびWT、Toy間での比較を行った。WT、ToyともにB6N4、C3HN4系統間の比較で10倍以上の発現差を示す遺伝子は200以上あった。中でもセリンプロテアーゼや脂質関連の遺伝子は共通して発現差が大きかった。 WT, Toy間の比較では10倍以上の発現差を示す遺伝子も100種類程度であった。B6N4系統、C3HN4系統のいずれの比較でも、WT、Toy間ではミトコンドリア機能異常や小胞体ストレス応答に関する遺伝子発現の差が大きかった。
連鎖解析では、歩行の表現型の出現時期を指標としてQTL解析を行った。その結果、染色体15番とX(雌個体)に正の相関、染色体5番とX(雄個体)に逆相関の可能性がある領域が認められた。それらの領域において遺伝子発現解析での結果を検索したところ、ToyのB6N4系統、C3HN4系統間に発現差がみられたのはイオントランスポーターやアポリポタンパク関連因子などであった。
病理解析では、GFAP抗体染色において、バーグマングリアの進行性の形態異常が観察された。系統間での比較を行ったが、歩行の表現型の差異と連動するような違いは見られなかった。
以上の結果から、小脳での遺伝子発現はWTにおいても系統の違い(遺伝的背景)による差が大きいが、Toy特異的とみられる差もみられること、連鎖解析と遺伝子発現解析を用いることで歩行表現型の重症度の差にイオントランスポーターやアポリポタンパク関連因子の関与の可能性などが示唆された。

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公開日: 2018-12-17  

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