研究課題/領域番号 |
15K06915
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
西山 毅 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (40571518)
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研究分担者 |
鈴木 貞夫 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (20226509)
松尾 恵太郎 愛知県がんセンター(研究所), その他部局等, 部長 (80393122)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 量的自閉症形質 |
研究実績の概要 |
昨年度までに約1700人分の遺伝子型情報および量的自閉症形質についての表現型情報のすべてを集め終えていたが,ゲノムワイド関連研究(Genome-wide Association Study, GWAS)のメタアナリシスを行うための倫理審査が予想以上に長引き,今年4月にようやく倫理審査を終えることができた.その後まず,全ゲノムの遺伝性型情報に対し1000ゲノム計画(phase 3)に基づくimputationを行ったあと,岡崎研究とHospital-based Epidemiologic Research Program at Aichi Cancer Center(HERPACC)の2つの日本人集団それぞれのGWAS解析を行ったところ,いずれもゲノムワイドに有意なSNPは認められなかった.次いで,この2つの集団を対象として固定効果モデルに基づくGWASメタアナリシスを行ったところ,やはりゲノムワイドに有意なSNPは見いだせなかった.統計学的検出力の観点からすると,一般的なエフェクトサイズのSNPを見出すためには2万人以上のサンプルサイズが必用になることからも,この結果は極めて妥当だと考えられた.そこで,予定通り,他の国際研究チームによるGWASと我々のGWASとを統合するために,今回の2つのGWASの結果をオランダの研究チームに送付し,現在オランダにてメタアナリシスが進行中である.一方,岡崎研究サンプル約800人分については,量的自閉症形質以外にも,量的注意欠如・多動症形質や,抑うつ・不安,失感情症形質,睡眠時間など幅広い量的心理学的形質を測定しているため,この5つの形質を従属変数とした多変量GWAS解析を行った.その結果,ゲノムワイドな有意性をsuggestする座位が3つ得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究で用いる2つのコホートのうちの片方の岡崎研究データを用いてGWASおよびそのメタアナリシスを行うのに,あらためて倫理審査を受け直す必要が生じた.岡崎研究は日本多施設共同コーホート研究(JMICC研究)の一部であることから,岡崎研究の実施施設である名古屋市立大学医学部だけではなく,JMICC研究の事務局が置かれる名古屋大学医学部でも倫理審査が必要になり,その審査に約1年を費やすことになった.
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今後の研究の推進方策 |
今後は統計解析およびreplicationのためのgenotypingを研究速度をあげて行い,研究を完成させる
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次年度使用額が生じた理由 |
倫理審査が予想以上に長引いたため,本来行う予定であったジェノタイピングができなかっったため.
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次年度使用額の使用計画 |
倫理審査が終了したため,昨年度予定していたジェノタイピングを本年度行う予定である.
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